ポスティング配布員の声

《良いところもしんどいところも》M・Mさん 40代 女性 ポスティング歴5年

良いところ‥ 庭先で住人の方とお会いした時は、挨拶をして「チラシを入れてもよろしいですか?」と聞くようにしています。

その時、「ご苦労様、もらっておくね。今日は何のチラシ?」と笑顔で会話して頂けたり、「お仕事ですものね。いいですよ。」と言って頂けると、嬉しくなります。

積んである沢山のチラシが全部無くなると「頑張って配った!」という達成感があります。

自分の自由時間に配れるので、子供の学校行事がある時は、前日に多めに頑張ったり、早朝に配ったりと調整しています。用事があっても、配布量を減らさずに済むのが助かります。

しんどいところ‥ 雨風や暑さ、寒さの厳しい日は、休憩時間を増やしたり、一度に持ち歩くチラシの量を減らすので時間がかかります。

年に1.2回ですが、「これ、ゴミになるやろ! 持って帰って!」ときつく言われることがあります。

仕事と割りきって謝って持ち帰りますが、それからは念の為、挨拶を無視された時は入れないようにしています。

 

《トレーニングにもなります》K・Hさん 60代 男性 ポスティング歴10年

私は、ポスティングをウォーキングのトレーニングに活用しています。

ウォーキング‥年に一度5月に24時間100キロメートル歩行(JR舞子駅前⇒京都嵐山)に参加し、一度も途中棄権したことがありません。

ポスティング開始時はDバッグがズシリと肩に食い込み大変ですが、徐々に軽くなっていく様子が心地よく、ポスティングを続けています。

 

《ポスティングあれこれ》K・Hさん 70代 男性 ポスティング歴7年

平成○○年2月4日、実施研修ポスティング開始! 寒風の中、寒いこと寒いこと、防寒対策ゼロでした。

これでポスティングやっていけるか心配! 時が経ち‥現在OK!

「春夏秋冬」ポスティングをしていると季節の移り変わりを肌で感じられるのが良い。
雪が降り、桜が咲き、猛暑にダウンしかけ、いつのまにかコスモスが咲き出し、木枯らし1号をきくと、防寒対策を開始、そして一年が終了。

「人とのふれあい」夏のある日、公園のベンチで休憩していると、「畑でとれたトマトです。冷えてないですがどうぞ。」という方が。

話好きなおばさまにつかまると‥収束できず一苦労。ポストにチラシを入れずにいたら「うちの家にも入れて」反対に入れたら「うちはチラシはいらん!」‥様々。

 

《一石三鳥》M・Kさん 70代 女性 ポスティング歴10年

私は十数年間、ポスティングという請負仕事をさせてもらっている。

企業、店舗等の広告のチラシ配布である。指定された期間で指定された区域に配るというものである。

歩いて廻ることになるので、人からは健康的でいいですね、と言われることが多い。

確かに健康的ではあると思う。ダイエットにも多少役立っているようである。

風を切ってサッサと大股で歩くのはなかなか爽快であり、実益を兼ねているので一石二鳥である。

しかし結構な事ばかりではない。

気ままな散歩と違って、好きな時に好きな場所を歩けるわけではない。

仕事は年中あるので、やはり夏場冬場は楽ではない。が、結果年間通して頑張れているのだから、私もこの歳にして結構な気力体力があるわい、と自画自賛している。

この仕事は体力も使うが、実は気も遣うのだ。郵便受けに投函する時、家人に断られる事が時々ある。

あっさり要らないと言ってくれればよいが、長々と注意を受けることもある。

「広告不要、資源の無駄使いです」と張り紙している所もある。

確かに無駄になる事が多いであろう事は容易に察しがつく。

しかし無駄と言い切ってしまう人は、相手の立場に立って考えないのだろうか、と一寸寂しくなるのだ。

無駄という人達に聞いてみたい。それではあなたが事業、商売を始めた場合、どんな宣伝方法をとるだろうか、と。

ネットの宣伝も普及してきたが、内容によってはチラシの方が有効である。

とはいえ、赤字に終わる事だってあるだろう。

そういう涙ぐましい企業努力を、ちょっと想像してもよいのではないだろうか。

反対に、投函する時「ご苦労さま」と声をかけられる事がある。

そのねぎらいのひと声は、疲れも吹っ飛ぶほど嬉しい。

雪の日に、わざわざ私を呼び止めて「ご苦労さんやな」と言ってくれたおじいさんもいた。

暑い日に「お盆過ぎたら涼しくなるわ」と、突然ボソッと声をかけてくれたおじさんもいた。

ある時は、夕刊を配達している若い女性にいたわられた。

新聞を一杯積んだ単車を私の横に止め、「暑くないですか?」と言う。

「暑いです」としか言いようがなく、そう返すと「これ、どうぞ」とスーパーの袋に入った氷の塊をくれたのだ。氷片はほてった顔に最高に心地よかった。

私もこの仕事をしていなかったら、郵便受けにたまったチラシなど迷惑にしか思わなかったに違いない。

広告主の熱い期待や、配る人の苦労など思い及びもしなかっただろう。

相手の立場に立って、という事をじっくり考えさせてくれる機会であったと、感謝している。

という事は、一石三鳥という事になりそうだ。

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